2022年度修了プロジェクト
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プロジェクト名:自分らしさを知る振り返り習慣をつくる「らし活」
チーム名:らしく
朝目覚めた時、前向きな気分で満たされていたらと誰もが願うことでしょう。しかし実際は不安や焦燥感といった少し沈んだ気分が頭をよぎることも多いのではないでしょうか。労働者、家庭人、市民、子供、学生。多様な役割を同時に持ち合わせる私たちは、常日頃から様々な負の感情にさらされています。漠然とした将来への不安や、競争社会で生き残るために何かしなければならないという焦り。インターネットの普及で溢れる大量の情報。SNSの普及で目にする機会が増えた他人の生活。無自覚にそれらに翻弄される毎日を過ごす人も少なくはありません。その先には、社会の固定概念や誰かの価値観に埋もれて自分らしさを見失った生活が待っているかもしれません。無理に自分への期待値を高めて自己効力感を失ったり、好きでもないことに時間を使ってしまったり。幸福感は薄れ、モチベーションも低下。精神疾患や生産性低下という社会課題も拡大していくことが考えられます。私たちはこの負の連鎖を断ち切り、「誰もが自分らしさを抱きしめて、自分の人生にときめく社会」を目指します。その実現に向け、自分らしさの源泉となる“自分の好きや大切を知る機会”の提供、習慣化の促進、文化への昇華を行います。誰もが自律性高く自分の価値観に従って生きる結果、1人1人の自分らしさがカラフルに輝いてお互いを彩り、自分の人生にときめく人の笑顔で溢れる社会を一緒に作りませんか。
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プロジェクト名:挑戦を後押しする「Asset Map」
チーム名:なんくるないさ〜
「人生100年時代」と言われる時代になり、人々の意識や社会の在り方が変わり始めている。 価値観までもが変化し続ける社会で、人々を変わらず活気づける物は何なのか。 それは「自分がワクワクし、挑戦すること」だと考える。
「自分がワクワクすること」を軸に新しいことに挑戦する人が増えれば、周りの人も刺激を受け、活気づけられるのではないか。 このような想いから、ワクワクと挑戦に満ち溢れた社会を創出するために、私たちは挑戦への一歩を後押しするサービスを提供したいと決意した。
『Asset Map』は、「自分の軸を見つける」「行動や興味を広げる」「小さい成功体験を積み重ね、自己効力感を養う」ことを重要視している。 ユーザーはまず行動ログを記録し、振り返ることで、自分自身の軸を探求し、新たな一面を知ることから挑戦への基盤を整える。 私たちと “全ての人がワクワクと挑戦で溢れる”とても素敵な社会を創出しませんか。
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プロジェクト名:家事育児サポートツール「REALOCAL HEROES」
チーム名:STRAP
私たちTeam STRAPは、身近な家族や地域において、信頼関係を基盤に、お互いが助け合い、頼り頼られる社会を創造します。社会の一員である私たち誰もが、それぞれの個性・多様性を生かして自己実現するためには、心理的安全性が担保され、心の余裕が持てる環境が必要です。近年、共働き・核家族・独居世帯の増加、コロナ禍の自粛、ネット社会の加速的発展により、私たちの最も身近な人間関係はどんどん希薄になっています。ふと困ったときに、すぐ近くに、気軽に話せて、頼れる相手がいないことで、心の余裕がなくなっているのかもしれません。私たちは、すぐにリアルに会える人達が、お互いに助け合い、信頼関係を構築し、自己実現できる、頼り頼られる社会の実現を目指します。
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プロジェクト名:自医療・技術・ユーザーを繋ぐ次世代サブスクリプションサービス
「モビコネクト」
チーム名:FLs
人生100年時代に突入した昨今、老老介護や高齢者の社会参加困難など、高齢化に伴う多種多様な社会問題が浮き彫りになってきている。この社会課題に対し、高齢者の移動を支援するために、階段昇降車いすなど、様々な最先端テクノロジーを搭載したモビリティが開発されている。これらの最先端機器は、高齢者の移動を支援する一方で、①価格が高く介護保険の適用範囲を超える、②現場でユーザーに周知されていないなどの理由から、真の意味での社会課題の解決には至っていない。そこで我々は、個人に最適な最先端モビリティ機器を安価で提供するサブスクリプションサービス事業により、医療従事者(医療)と技術開発者(技術)をユーザーへと繋ぐ架け橋を渡す事業を展開する。具体的には、ユーザーが身体状況やニーズに合った最適なテクノロジーを安価に利用することができるようにする。そのために、技術開発者が生み出す最先端テクノロジーを現場に周知する場、医療従事者がユーザーに最適な機器情報を提供できる場を創る。これにより、技術開発者は医療従事者やユーザーから現場課題や使用時のデータなどの情報を取得することができ、それらのデータは新たな機器開発の礎となり、未来の技術革新に貢献することが期待できる。また、医療従事者の職域拡大等の待遇向上に繋がる。このようなエコシステムを実現することで、たとえ身体的・認知的にハンディキャップを背負っていても、テクノロジーの力を借りて、誰もが行きたいときに行きたいところへ自由に行ける社会の実現を達成する。
修了プロジェクトに関する評価者のコメント(抜粋)
- 評価者A
コロナ禍も一段落の兆しをみせ、昨年度までの全面リモート開催から部分的にリアル開催への移行を実現できた。また参加者の中での産総研デザインスクールへの期待値がかなり定まってきていることからか、各レクチャーの良い部分を活かして、より「人間自身の問題の解決」に向かうチームが多くなったように思われた。つまり、同じく「社会課題解決」という言葉を使っても、国内の他のデザインスクールでは、「家電やモビリティの改善」や「インフラの改善」などに向かうアイデアが少なくないのに対して、産総研デザインスクールでは、「社会の構成要素としての人間自身」に強い関心を持ち、その「人間自身」が社会を生きていく中で抱えがちな問題に焦点を当てたアイデアが多かったということである。もちろんその場合であっても、産総研らしく、科学的知見や要素技術を利用しようというアプローチは随所にみられ、全体としては良いバランスが生まれてきているように感じられた。 - 評価者B
修了発表は、全チームの発表が他者を引き込む問いから始まり、何を目指すのか、なぜ我々はこれをするのか、ユーザーが価値を感じることができる必要最小限の製品・サービスの体験の提供、から構成され発表形態も工夫された体験デザインになっており、産総研デザインスクールでの学びの集大成であった。修了発表より、チーム全員が自身とメンバーの強みを認識し、強みを活かしながらプロジェクトを進めたことが伺えた。各チーム、与えられた社会課題ではなく、自身の痛みからMy Will・Our Willを形成し、AS IS-TO BEから課題化することにより、自分事のプロジェクトになっていることが伺えた。そのため、技術起点ではなく、「社会に生きる人間起点」の課題とその解決方法に技術的要素を効果的に組み合わせるという、産総研デザインスクールの人間 x 技術という特徴的なプロジェクトが形成されていた。